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LED光を用いたバレイショの萌芽抑制と緑化防止貯蔵技術

Last Update 2013.06.27

● はじめに

バレイショは北海道を代表する農産物であり、長期間貯蔵可能な作物の一つである。しかし、貯蔵期間中に萌芽によって萎凋や
栄養価の損失が起こるだけでなく、有毒なグリコアルカロイド（ソラニン等）も増加し商品価値は大きく低下する。また、萌芽
が著しく進行すると重量に占める割合も増加し、その除去作業にも多大な労力が掛かるため、品質低下に加え、歩留りの低下や
処理コストの増大も大きな課題となっている。我が国においても萌芽を抑制する薬剤としてマレイン酸ヒドラジド（商品名：エ
ルノー）が、根菜類を中心に広く使用されてきた。しかし、2003年以降、国内での使用が禁止されたことから、現在、我が国に
おいて認可されている萌芽抑制剤はない。そこで、省エネ性および環境性に優れるLED光を用いた、新たなバレイショ貯蔵技術
を開発した。

● 従来のバレイショ貯蔵

現在、バレイショは低温下（一般に2～10℃前後）での貯蔵が主流であるが、低温下でも長期貯蔵中に萌芽は徐々に進行し、
また、春先以降の流通段階では急激な萌芽が起こってしまう。さらに、低温下ほど萌芽の進行は抑制されるものの、貯蔵に伴っ
て糖分が増加し、フライ製品では褐色化を招くことから、加工用のバレイショは、通常、8℃前後で貯蔵されている。バレイシ
ョは光が当ると表皮の緑化とともに、有毒成分であるソラニン等も増加することから、貯蔵期間中は暗所下に置かれている。

● 本技術の特長

● 特定波長域のLED光を照射すると品種に関係なく、萌芽を抑制し、同時に緑化も防止できる。
● この抑制効果は、連続照射でも間欠照射でも、また、室温下でも低温下でも起こる。
● 萌芽前のバレイショだけでなく、萌芽が進行中の個体にも有効である。
● 本LED光はバレイショの糖分などには影響を与えない。
● 本LED光は白色蛍光灯による緑化も抑制する。

図１　開発したLED光源

図２　貯蔵（76日）後の萌芽状況
試験例（8～10℃で76日間貯蔵、品種：レッドアンデス）

光照射区

暗所下

図３　貯蔵（76日）後の萌芽長と萌芽数

図４　本LED光と白色蛍光灯併設時の緑化抑制

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